補助金・助成金・給付金の違い
「補助金」「助成金」「給付金」「給付型支援」という言葉は、日常的にほぼ同じ意味で使われがちですが、制度上の性格は異なります。本稿では、これらの用語の慣用的な違いを整理したうえで、混同されやすいjGrantsとの関係、そして「申請代行は誰ができるのか」という行政書士法上の論点を、一次資料に基づいて確認します。
用語の比較
| 用語 | 典型的な所管 | 受給の性質 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| 補助金 | 経済産業省・中小企業庁系の制度に多い | 審査を経て採択された事業者のみが受給できる競争的な支援 | ものづくり補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金 |
| 助成金 | 厚生労働省系の制度に多い | 一定の要件を満たせば原則として受給できる | 雇用調整助成金、業務改善助成金、キャリアアップ助成金 |
| 給付金 | 主に個人向け(国・自治体) | 審査を伴わず要件充足で支給されることが多い | 特別定額給付金 等 |
| 給付型支援 | 個別の制度名ではない | 「返済不要の支援」を指す総称。上記3つはいずれもこの意味で給付型に含まれる(対義語は融資などの返済を要する支援) | — |
これらの呼び分けは、各制度を設計した省庁・自治体が個別に付けた名称の慣用的な傾向であり、「補助金法」「助成金法」のような統一的な法律上の定義があるわけではありません。制度ごとの正式な要件は、各制度の公募要領・実施要綱で個別に確認する必要があります(出典: 中小企業庁「ミラサポplus」、厚生労働省「事業主向け助成金一覧」)。
jGrantsとの関係
jGrants(Jグランツ)は、複数の補助金・助成金制度をオンラインで申請できるようにする電子申請システムであり、それ自体が一つの補助金・助成金制度ではありません。2020年に経済産業省がリリースし、現在はデジタル庁が運営しています。当社サイトでも過去に運営主体を誤って記載していたことがあり、この点は特に確認のうえ訂正しています。
当社が運営する補助金検索サービス「カンタン補助金」も、jGrantsを含む複数の公的データソースを横断的に取り込んでいます。そのデータ連携で実際に発生した不具合(主キーのコロン1文字がクローラーに拒否されていた問題)は、下記の記事で実数つきで公開しています。
「申請代行」は誰ができるのか(行政書士法)
- 行政書士法(昭和26年法律第4号)第19条第1項は、「行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第1条の2に規定する業務を行うことができない」と定めています(出典: e-Gov法令検索、総務省)。第1条の2の業務には、官公署に提出する書類(申請書等)の作成が含まれます。
- 2026年1月1日施行の改正で、第19条第1項に「他人の依頼を受け、いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が追加され、会費・手数料・コンサルタント料などの名目を問わず規制対象になることが明確化されました(出典: 日本行政書士会連合会 会長談話)。
- 同時に両罰規定(第23条の3)も整備され、無資格者による違反に対し、行為者本人に加えてその者が所属する法人にも罰則(百万円以下の罰金)が科されるようになりました。
- したがって原則として、行政書士(法人)以外の者が、報酬を得て他人の補助金申請書類の作成を代行することはできません。他の資格者(社会保険労務士等)がそれぞれの根拠法で認められた範囲内で書類作成に関与できる例外はありますが、その線引きは資格ごとの個別法によるため、本稿では立ち入りません。
当社の立場
当社が運営する補助金検索サービス「カンタン補助金」は、補助金情報の検索・AIによるマッチング・申請書類のドラフト(下書き)作成支援・プロジェクト管理等の機能を提供するSaaSツールです。利用者に代わって申請書類を作成する代行サービスではありません。最終的な申請書類の作成、確認、および提出は利用者自身の責任において行っていただきます。補助金の採択を保証するものでもありません。
よくある質問
Q. 補助金と助成金の違いは何ですか?
法律で一義的に定義された区分ではありませんが、慣用的には、補助金は審査を経て採択された事業者だけが受給できる競争的な支援(経済産業省・中小企業庁系の制度に多い)、助成金は一定の要件を満たせば原則として受給できる支援(厚生労働省系の制度に多い)として使い分けられています。
Q. 給付金や給付型支援は補助金・助成金と何が違いますか?
給付金は主に個人向けの制度で、審査を伴わず要件充足で支給されることが多い支援です。給付型支援は個別の制度名ではなく、返済を要する融資と対比して「返済不要の支援」を指す総称であり、補助金・助成金・給付金はいずれもこの意味で給付型支援に含まれます。
Q. jGrantsは経済産業省が運営しているのですか?
いいえ。jGrantsは2020年に経済産業省がリリースしましたが、現在はデジタル庁が運営する補助金の電子申請システムです。個別の補助金・助成金制度そのものではなく、複数の制度をオンラインで申請できるようにする共通基盤です。
Q. 補助金の申請代行は誰でもできますか?
できません。行政書士法第19条第1項により、行政書士または行政書士法人でない者が、業として官公署に提出する書類の作成を行うことは原則禁止されています。2026年1月施行の改正では、報酬を得る名目を問わず対象になることが明確化され、両罰規定(第23条の3)も整備されました。
Q. 「カンタン補助金」は申請を代行してくれますか?
しません。カンタン補助金は補助金の検索とAIによる申請書類のドラフト(下書き)作成を支援するSaaSツールであり、利用者に代わって申請書類を作成する代行サービスではありません。最終的な申請書類の作成・確認・提出は利用者自身が行います。
関連する一次データ記事
出典: 行政書士法(e-Gov法令検索) / 総務省「行政書士制度」 / 日本行政書士会連合会 会長談話(2025年11月) / デジタル庁 jGrants / 中小企業庁 ミラサポplus / 厚生労働省 事業主向け助成金一覧